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SEX MESSIAH / Sexus-Mortem Ouroboros『性と死、ウロボロス』|商品紹介
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ITEM DETAILS
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アーティスト |
SEX MESSIAH |
タイトル |
Sexus-Mortem Ouroboros『性と死、ウロボロス』 |
国 |
JPN |
レーベル |
SEX DESIRE |
フォーマット |
CD \2200 |
登録日 |
(2024/10/31) |
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大阪BLACK DEATH METAL CORE "SEX MESSIAH"!! 前作から6年振りとなる2024年新作アルバム完成!! より妖しく、より醜く、背徳と堕落の芸術此処に極まれり!! 悪徳に満ちたセカンドアルバム!! 全10曲収録!!
本作の制作スケジュールを聞いた時は、「SEX MESSAIHの創作イマジネーションは絶倫なのか?或いは救性主は生き急いでいるのか?」と、しばらく本気で考え、そして少し不安にもなりました。プランとスケジュール有りきで進めるがあまり、作品に妥協が生じてしまうのではないか?、と。あらゆるアーティストの、あらゆる作品に於いて、妥協ゼロパーセントなんてことはもちろん有り得ないのですが、私の知るミュージシャンの中でもMoenos氏は最も妥協などとは程遠いタイプです。しかし決して順風満帆に事が進んできたわけではなく、Moenos氏のちょっとした葛藤も見え隠れしながら完成の報告を聞いた時点で、その不安は不要であろうと確信しました。葛藤なき表現に、真に心が動かされることなどないと、私は信じているからです。
まず初めに強く言っておきたいのは、SEX MESSIAHファンのみならず各方面のブラック・メタル関係者がその覚醒っぷりに舌を巻いた”Metal del Chivo”でのあのテンションは、この"Sexus-Mortem Ouroboros"でも見事に維持していると言う点。だったら能書きタラタラこくんじゃねぇ、と既に思われている方は、ここから先の私なりの考察につきあう必要など全くなく、すぐさま再生して存分に楽しめるアルバムです。爆音に埋もれながらも純正の南米メタル型ビートで、カオティック且つ、意外なほどしっかり骨格を支えるAbaddrums "SEXXX" Grinder氏の貢献度は今回も高く、彼のアシストによってスペイン語詞を得たMoenos氏のボーカルには、聴いててたじろぐほどの狂気が満ちています。
そして最初に聴いた時から私がすぐに感じたのが、ブラック・メタルのハーシュ性を象徴するノイジー・ギターの爆音さに、今回はファズ感も増幅しているせいか、過去作よりもさらにサイケデリックな面がクッキリ浮かび上がってるところ。Moenos氏のエレクトロニクス・アプローチは、長年じかに体験してきた関西アンダーグラウンド・サイケに原点が在るとのことですから、ドゥーム・メタルのようにロック古来の手法を用いるのではない、エレクトロニクス・アプローチも駆使したエクストリーム・ミュージックでありながら、SEX MESSIAHのブラック・メタルに隅々までビンテージなアナログ感が充満しているのは、そういったMoenos氏のサイケデリック・ロック基礎が多分に作用しているのかと考えられます。あと、今まではあまりスポットの当たらなかったエピックなメロディーも研ぎ澄まされてきて、でもメランコリックとか哀愁だのとは異質のそれもやはり、SEX MESSIAHの場合はサイケデリック・ロック由来なのかと思います。
ウロボロスであろう蛇の姿も確認できるけど、その横でまぐわう2人がウロボロスの形状と化してるようにも見てとれる、072氏のジャケット・アートとタイトルからもさらに深読みすれば、ウロボロスが象徴するのは形而上学的にファンタジックなものなんかではなく、汚れた人間の色情こそが森羅万象を宿す、とでも表現しているかのようです。スピリチュアリズムとニヒリズムの相容れない観念の狭間に身を置いて、それぞれの過激な性質を抽出して自己を表現するのが、私のブラック・メタルに対するザックリしたイメージなのですが、それが確信犯であるならば、ブラック・メタル・ミュージシャンは野蛮な原理主義者でありながらクレバーだと言うことを、ロウファイで繊細、filthyでepic、psychoでnihilなSEX MESSAIHのこのアルバムを聴きながら改めて実感しています。 (大倉了/Record Boy)
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