LIP CREAM全タイトル再発!! 予約受付中!!LIP CREAM全タイトル再発!! 予約受付中!!
遂にその時が来た。 1990年の活動停止から35年――ジャパニーズ・ハードコアパンクの伝説的バンド、LIP CREAMの全音源が、 北米のRELAPSE RECORDSより完全デジタルリマスターで甦る!
※LPスペシャルボックスセットに関しましては、当店取り扱い予定ございません。ボックスセットに関する問い合わせはご遠慮ください。
※入荷予定数次第で予約受付終了いたします!! ご予約はお早めに!! なお、ご希望にそえない可能性もございますので、予めご了承ください。
※アナログ盤は全てカラー盤のみ。カラー盤の種類により、販売価格が異なります。
※アナログ盤LPは、各カラー盤お一人様1枚までとさせていただきます。(同タイトル各種カラー盤1枚ずつのご購入は可能です。)
●LIP CREAM / KILL UGLY POP(LTD.100 日本限定BLUE SMOKE) (LP) 税込¥6050-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / KILL UGLY POP(LTD.600 SPLATTER) (LP) 税込¥5720-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / KILL UGLY POP(LTD.1000 MARBLE) (LP) 税込¥5500-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / KILL UGLY POP (CD) 税込¥3300-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / KILL UGLY POP (CASS) 税込¥3080-ご予約ページはこちら
●LIP CREAM / 9 SHOCKS TERROR(LTD.100 日本限定PURPLE SMOKE) (LP) 税込¥6050-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / 9 SHOCKS TERROR(LTD.600 SPLATTER) (LP) 税込¥5720-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / 9 SHOCKS TERROR(LTD.1000 MARBLE) (LP) 税込¥5500-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / 9 SHOCKS TERROR (CD) 税込¥3300-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / 9 SHOCKS TERROR (CASS) 税込¥3080-ご予約ページはこちら
●LIP CREAM / CLOSE TO THE EDGE 危機(LTD.100 日本限定ORANGE SMOKE) (LP) 税込¥6050-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / CLOSE TO THE EDGE 危機(LTD.600 SPLATTER) (LP) 税込¥5720-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / CLOSE TO THE EDGE 危機(LTD.1000 2 COLOR MERGE) (LP) 税込¥5500-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / CLOSE TO THE EDGE 危機 (CD) 税込¥3300-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / CLOSE TO THE EDGE 危機 (CASS) 税込¥3080-ご予約ページはこちら
●LIP CREAM / 罪 ーSINー(LTD.100 日本限定BLACK SMOKE) (LP) 税込¥6050-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / 罪 ーSINー(LTD.600 SPLATTER) (LP) 税込¥5720-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / 罪 ーSINー(LTD.1000 3 COLOR MERGE) (LP) 税込¥5500-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / 罪 ーSINー (CD) 税込¥3300-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / 罪 ーSINー (CASS) 税込¥3080-ご予約ページはこちら
●LIP CREAM / BIG FOOT CASSETTE(LTD.100 日本限定YELLOW SMOKE) (LP) 税込¥6050-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / BIG FOOT CASSETTE(LTD.600 HALF AND HALF) (LP) 税込¥5720-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / BIG FOOT CASSETTE(LTD.1000 SPLATTER) (LP) 税込¥5500-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / BIG FOOT CASSETTE (CD) 税込¥3300-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / BIG FOOT CASSETTE (CASS) 税込¥3080-ご予約ページはこちら
●LIP CREAM / THRASH TIL' DEATH(LTD.100 日本限定GREEN SMOKE) (LP) 税込¥6050-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / THRASH TIL' DEATH(LTD.600 YELLOW) (LP) 税込¥5720-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / THRASH TIL' DEATH(LTD.1000 SPLATTER) (LP) 税込¥5500-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / THRASH TIL' DEATH (CD) 税込¥3300-ご予約ページはこちら ●LIP CREAM / THRASH TIL' DEATH (CASS) 税込¥3080-ご予約ページはこちら
『LIP CREAM - A Band History』
前章
伝説のハードコア/パンクバンド、LIP CREAM。1984年の結成から1990年の解散までの僅か6年間で、2度のメンバーチェンジを経て、EP3枚、カセット1本、アルバム4枚をリリース。さらに、13枚のコンピレーションアルバムに参加し、単独ライブビデオ2本を発表するなど、短期間の活動ながら世界的にも類を見ない驚異的な作品数を誇る。 しかし、バンドの解散が1990年という、インターネットによるアーカイブ構築以前だったため、現在流布しているLIP CREAMに関する情報の多くは、伝聞や誤情報に基づいたものであり、これまで公式プロフィールやディスコグラフィーは存在していなかった。 今回、RELAPSE Recordsによる全音源リィシュー・プロジェクトを補完するため、膨大な資料と共に、オリジナルメンバーであるMINORUへの詳細な聞き取り取材を実施し、テキストを編纂。 LIP CREAM初となる公式バンドプロフィールが完成した。 知られざるLIP CREAMの歴史を全てを、ここに記す。 (本文中敬称略)
第1期 AA HARDCORE UNLAWFUL ASSEMBLY
「すべてを軽く考えていたんだ」 LIP CREAM結成の発起人であり、オリジナルメンバーのMINORUは、当時をそう語る。
時は1984年。LIP CREAM結成の発端は、同年にAA Recordsからリリースされたオムニバス・アルバム『ハードコア不法集会』だった。 MINORUは当初、COMESでの参加を予定していたが、レコーディング前に脱退。続いてギタリストのNAOKIも脱退する(2人は中学・高校時代を共に過ごした幼馴染)。この時点でMINORUは、オムニバス参加の件を忘れており、レーベル主催者のCHARMY(LAUGHIN’ NOSE)から収録音源の催促電話を受けた際に脱退を伝えると、「それなら違うバンドで参加してほしい」と提案され、その場で適当に思いついたバンド名が「LIP CREAM」だった。 「バンド名に深い意味や裏付けは全くなかったよ」(MINORU)
MINORUの発言にあるように、当初LIP CREAMはセッションバンド的な、限定的な活動を想定したものだった。MINORUはメンバー探しを開始し、あぶらだこのドラマーであり、COMESでも時折ヘルプを務めていたMARUを誘ったところ、NAOKIからも「俺もやるからよろしく」と連絡があり、ここでヴォーカルを除く最初期のメンバーが決定する。 『ハードコア不法集会』には3曲での参加が予定されていたため、それぞれが1曲ずつ曲作りを担当。MINORUが「RENTAL」、MARUが「DAZED AND CONFUSED」、NAOKIが「赤羽線バイオレンス Part1」を提供したが、収録時間の都合で「赤羽線バイオレンス Part1」はカットされた(この音源は後にマスターテープが行方不明となり、現在も未発見である)。 最終的にヴォーカルをBAKIが務めることになった理由については、たまたまレコーディング当日にMINORUがBAKI宅に遊びに行って、その場のノリで参加を依頼したらOKとなり、そのまま勢いでスタジオに直行したのだという。しかし、この時点でBAKIはTHE EXECUTEに在籍中だったため、クレジットの記載は見送られた。 新宿JAM Studioにて、わずか一晩で行われた高速レコーディングが終了すると、LIP CREAMの活動は一時停止となる。 「とにかくバンドやって音が出せれば、それで良かった」(MINORU)
──1984年は、日本のハードコア・パンク・シーンにおける最初の転換期とされている。1980年〜1982年に結成されたバンドの多くがこの年にメンバー脱退や解散を経験。LIP CREAMもまた、この時期のバンドシーンの離合集散と再編成の流れの中で生まれたといえる。──
第2期 LONELY ROCK 〜 NIGHTRIDER MORE THAN FIGHT
『ハードコア不法集会』のレコーディングから数ヶ月後、MINORUのもとに、LAST BOMBのベーシスト・BEAR BOMBから企画GIGへの出演を打診される。その時点ではバンド活動を休止していたMINORUだったが、BEAR BOMBから「あのLIP CREAMってバンドで出演してよ」と提案されたことで、活動再開を決意する。 メンバー編成は『ハードコア不法集会』と同じく、MINORU、MARU、NAOKIの3人。しかしこの時点で、NAOKIはすでにTHE EXECUTEを脱退したBABYと共に新バンド・GASTUNKに参加中だった(この在籍時にNAOKIが提供した楽曲が、後のGASTUNKを代表するナンバー「GERONIMO」となる)。その後NAOKIはGASTUNKを脱退し、LIP CREAMへと再合流する。 一方でヴォーカルは不在のままだったため、MINORUは遊び仲間であったDEAD COPSのベーシスト・JHAJHAに相談。すると「俺がやりたい!」という予想外の返答があり、その場でJHAJHAのDEAD COPS脱退とLIP CREAMへのヴォーカル加入が決定した。
新体制での初ライブは、1984年6月の渋谷屋根裏。この勢いに乗り、初音源EP『LONELY ROCK』をHOLD UP Recordsよりリリースする。 このリリースは、やはりMINORUの遊び仲間であり、GHOULのギタリスト・MAXが立ち上げた自主レーベルから、新録EPの企画を持ちかけられたことで実現した。 「とにかく音源を出したかったから、すぐに話に飛びついた」(MINORU)
その後、都内で数回のGIGに出演していた中、AA RecordsのCHARMYから単独EPリリースの企画を打診され快諾。同年9月には関西ツアーを敢行し、その流れのまま大阪のStudio EVEにて『NIGHTRIDER MORE THAN FIGHT』をレコーディングする。 しかし、この関西ツアーの後、ドラマーのMARUがLAUGHIN’ NOSEの活動に専念するために脱退。LIP CREAMの活動は再び一時停滞するかに思われたが、このMARUの脱退が、結果的にバンドを大きく前進させる契機となる。
MARU脱退の直後に、PILLがLIP CREAMへの加入を電光石火の速さで表明。PILLは、グラムロックバンドCLEOPATRAのドラマーを経て、初期のハードコア/パンクシーンにおいて、BODIESを筆頭に既に多数のバンドで活動していた。1984年の時点で、AXE BOMBER、G-ZET、BRADBURYでドラマーを兼任しており、同時にLIP CREAM結成当初からの熱狂的なファンでもあった。実際、当時のライブ写真には、LIP CREAMのステージ最前列で暴れ回るPILLの姿が、たびたび確認できる。 「PILLは多くのバンドを掛け持ちする中で、自分のやるべきバンドを模索していたのかもしれない」(MINORU)
──実は『ハードコア不法集会』のレコーディング以前、COMESをMINORUとNAOKIが脱退した直後のタイミングで、PILLの提案により3人はスタジオ・セッションを行っていた。しかしこの時点では、まだ新バンド構想が試行錯誤の段階にあり、正式な結成には至らなかった。ただし、後のLIP CREAMを予見させる重要なセッションだったことは間違いない。──
第3期 Part 1 CHAOS U.K.来日〜SELFISH Records時代の幕開け
PILLの正式加入により、LIP CREAMは全パートのメンバーが固定され、これまで以上にスピード感を伴った本格的な活動を開始すると同時に、大きな躍進となる出来事が頻発する。
1985年に突入すると、新編成での最初の音源となるオムニバスカセット『THE PUNX - ストリートムーブメント』に参加。その後、同年5月12日に『BIG FOOT Cassette』(通称『KILL THE IBM』)をリリースする。このカセットテープ音源は、LIP CREAMが自身のバンドのために設立した自主レーベル・DYNAMITE Recordsの第1弾リリース作品でもあった。 レーベル名の「DYNAMITE」は、NAOKIのギャグセンスにより名付けられたもので、由来は映画『ダイナマイトどんどん』(※)。品番が「DONDON」となっているのも、この映画にちなんだものである。
(※)『ダイナマイトどんどん』(海外公開時タイトル:NOISY DYNAMITE)は、1978年に公開された大映製作・東映配給のコメディ系ヤクザ映画。長引くヤクザ同士の抗争を、暴力ではなく野球の試合で決着させようとする異色のストーリー。監督:岡本喜八、主演:菅原文太
この年、イギリス・ブリストルから招聘されたCHAOS U.K.のジャパンツアーが行われ、LIP CREAMとGAUZEがツアーをサポート。日本のハードコア/パンクバンドが全国ツアーを行ったのは、このCHAOS U.K.とのツアーが初であり、各地で熱狂的なオーディエンスが押し寄せて大成功を収めた。 このツアーサポートを通じて、LIP CREAMは大きな転機を迎えることになる。 まず、サウンド面における転機は、やはりCHAOS U.K.との共演が大きい。特にドラマーのPILLは、日本のハードコアとは全く異なる、ブリストル特有の狂気すら感じさせる激しいドラミングに衝撃を受けて以降、さらにパワフルで、より凶暴な音圧を持つスタイルへと変化した。 もう一つの大きな転機が、SELFISH Recordsとの出会いである。 CHAOS U.K.ジャパンツアーの招聘を手がけたSELFISH Recordsは、四国出身のプロモーター、岡本兄弟によって設立された自主制作レーベルであり、後に日本国内におけるハードコア/パンク音源を語る上で外せない存在となる。 CHAOS U.K. ジャパンツアーは、LIP CREAMにとってサウンドにおいても活動方針においても非常に重要な経験を与えたといえる。
また、このツアーの成功後、大阪にて元MOBSのSIN、元FREEDOMのベレー、そして京都の元THE BONESのFUNNYARAによって結成されたWAR PAINTED CITY INDIANとの共同企画による、2マン全国ツアー「DYNAMITE TOUR」を実施。記録的な観客動員数を達成し、LIP CREAMは“ツアーバンド”としての地位を確立するに至った。
そして1986年。この当時の日本は、全国規模でインディーズバンド・ムーブメントが到来しており、その波はLIP CREAMにも押し寄せる。 同年3月に、LIP CREAMは初のフルアルバムとなる『KILL UGLY POP』を、CAPTAIN Recordsよりリリースする。これまで友人や自身の人脈を通じた音源制作が中心だったLIP CREAMにとっても、また、当時のインディーズ音楽シーン全体にとっても、『KILL UGLY POP』は革新的な作品であり、日本のハードコア/パンクバンドによる単独LPとしては、同時代の他バンドと比較しても、非常に早い段階でのリリースとなった。
──CAPTAIN Recordsは、カルチャー雑誌『宝島』を発行する出版社“JICC出版”が運営母体となっており、多くの若手有望バンドと契約を結んで、精力的なリリースを続けるインディーズレーベルという体裁だったが、その実態はメジャー系列の音楽事務所に近かった。『宝島』はバンドブームの波に乗って、インディーズバンドの専門誌『BANDやろうぜ!』や、音楽ビデオマガジン『VOS』などを次々に発行し、ブームを牽引。JHAJHAが『宝島』誌面にモデルとして登場したのも、この流れの一環からである。──
『KILL UGLY POP』リリースに前後して、LIP CREAMは音源制作を加速し、特にオムニバスアルバムへの楽曲提供が顕著になっていく。 まず、2月にHOLD UP Recordsによるオムニバスアルバム『DEVIL MUST BE DRIVEN OUT DEVIL 毒を以て毒を制す!』に参加。4月には、SELFISH Recordsの初音源となる『A FAREWELL TO ARMS』に参加する。 この『A FAREWELL TO ARMS』以降、LIP CREAMの単独作品は全てSELFISH Recordsからのリリースとなる。
同年9月には、コンピレーション・アルバム『THRASH TIL’ DEATH』をリリースし、参加バンドの1つである大阪のOUTOとともに「THRASH TIL’ DEATH TOUR」を敢行。同年冬には、WAR PAINTED CITY INDIANとの2度目のDYNAMITE TOURも実施された。 これら2つのツアーの成功により、LIP CREAMに影響を受けた若手バンドが全国で続々と誕生し、日本のハードコア・シーンは爆発的に活性化していく。 さらに、ビデオレーベルROCK’N PAからは、GHOUL、GAUZEとともにLIP CREAMの単独ライブビデオがリリースされ、彼らのライブバンドとしての魅力が、より広くリスナーに届くことになった。
1987年には、5月にミニアルバム『9 SHOCKS TERROR』をリリース。そして、LIP CREAMが企画の中心となり、OUTO、DEATH SIDEの3バンドで「BLOODY SUMMER TOUR」を敢行。 このBLOODY SUMMER TOURは、その後1990年のLIP CREAM解散まで、毎年夏に継続開催され、多くのハードコア・キッズにとって“熱く激しい夏の風物詩”として記憶されることになる。
第3期 Part 2 メンバーの事故〜ラストアルバム〜そして解散へ
1988年。4月に3枚目のフルアルバム『CLOSE TO THE EDGE 危機』をリリースした頃から、メンバー間の確執が徐々に表面化し始めた。そのセンシティブな関係性に呼応するかのように、バンドのサウンドは一層重厚さを増し、LIP CREAMを代表する数多くの楽曲がこの時期に集中して生まれている。これはバンドを覆っていた緊張感から発生した、絶妙なバランスの産物と言えるだろう。 5月21日には、新宿アンチノックにて、ワンマンGIG「LIP CREAM ONLY」を企画・開催。酸欠状態になるほどの超満員の会場で繰り広げられた白熱のライブパフォーマンスは、同年8月20日にCAPTAIN Recordsを運営するJICC出版より、ビデオマガジンVOSの増刊枠でVHSビデオ『LIP CREAM ONLY』としてリリースされた。しかし、この直後にLIP CREAMに大きなアクシデントが発生する。
同年夏、DEATH SIDEと共に敢行したBLOODY SUMMER TOUR’88の最中、MINORUが交通事故で重傷を負い、入院。一時的に活動を離脱する事態となった。 それでもLIP CREAMは、スケジュールをキャンセルすることなく(※)、西日本エリアではDEATH SIDEのギタリスト・CHELSEAをヘルプのベーシストに、東〜北日本ではフェイマスがヘルプを務めることで、ツアーを乗り切ることに成功。
(※) 同年7月17日に豊島公会堂で開催された大型イベント「SUPER BATTLEROYAL ’88」に出演したLIP CREAMは、同イベントを収録したVHSビデオ『COMPLETE DEATH LIVE』への参加が予定されていたが、MINORUの事故による離脱のため、ライブ映像の収録は見送られている。なお、この時のステージはCHELSEAがヘルプを務めている。
そして1989年、LIP CREAMはラストアルバムとなる『罪 ―SIN―』(オリジナル盤は無題)をリリース。従来の作品とは一線を画す、極めてシリアスなコンセプトによって制作されたこのアルバムは、音声ドラマと楽曲が交錯する異色の構成となっており、アルバム全体を包む緊迫感、そしてこれまで培ってきた経験・思想・感情が決壊するかのようなサウンドによって、比類なき完成度を誇る歴史的作品となった。しかし、その完成度に反比例するかのように、メンバー間の確執は頂点に達しており、LIP CERAMは解散への道を突き進むことになってしまう。
──実はこの時期、日本のハードコア/パンクバンドとしては初のUSツアーがSELFISH Recordsによって企画されていた。S.O.BとNAPALM DEATHによるU.K. TOURの成功を受けてのことで、「次はLIP CREAMを世界に!」と意気込んだSELFISHが海外交渉をクリアして、ニューヨークのRITZでのステージも含め、ほぼ全日程のスケジュールを確定させていた。しかし、翌年の解散により、このツアー計画は実現に至らなかった。──
1990年、3月にEXTREME NOISE TERRORのジャパンツアーをサポートなど精力的にライブをこなしながら、BLOODY SUMMER TOUR ‘90をOUTOと共に実地。8月には広島で、GUDON解散ライブ2DAYSに出演した後、9月24日、京都・京大西部講堂で開催されたライブイベント「D.D.D.9.24」のステージを最後に、LIP CREAMは解散する。
終章 その後のLIP CREAM
解散以降、メンバーはそれぞれ別々のバンドで活動を続けている。
MINORUは、BUTTERFLYを経て、EXTINCT GOVERNMENT〜COLORED RICEMENを経由し、現在はEIEFITSを結成。日本国内にとどまらず、東南アジアツアーも企画するなど、精力的な活動を展開している。
NAOKIは、期間限定のセッションバンド・L.O.Xに参加した後、元COMES、元GASTUNKのドラマーMATSUMURAと共に結成したNO! で活動。しかし、その後バンドシーンからは勇退している。
JHAJHAは、バックパッカーとしてアジア諸国を放浪した後、JUDGEMENTにヴォーカリストとして加入。JUDGEMENT活動休止後は、“JHAJHA岩城”あるいは“桑名六道”の名義で、現在もフォークギターを片手にソロ活動を続けている。
PILLは、自ら中心となるバンドプロジェクトを始動。灰野敬二、勝井祐二らとともに、ASYLUM、OGREISH ORGANISMなど多数のバンドで演奏。2000年代にはDELTA PUREEを結成した。 また、LIP CREAMの過去音源を4枚のCDとして、自身のレーベル「鬼 ONI」より2008年にリリース(ただし、このCD音源はリマスターが施されておらず、再発盤としては不完全なものだった)。 続く2009年には、散逸していたLIP CREAMの映像をまとめた9枚組DVDをリリースしている。
解散から20年後の2010年、LIP CREAMの再結成が実現。この再結成はあくまで限定的なものであり、ライブは東京(w/ NICE VIEW)、愛知・安城(w/ THE BACILLUS BRAINS・TURTLE ISLAND)、大阪(w/ NIGHTMARE・WARHEAD)の3都市・3回のみの開催となった。 再結成ライブのチケットは瞬く間にソールドアウトし、各会場は超満員となったものの、その後の活動継続は行われず、再び沈黙を迎えることとなる。
2021年、NAOKI逝去。 2024年、PILL逝去。
そして2025年― 解散から35年、再結成から15年という長き年月を経て、今回、RELAPSE Recordsのアプローチにより、LIP CREAMの全音源デジタルリマスター盤リイシュー・プロジェクトが始動した。 世界中のリスナーが待ち望んでいたLIP CREAMの音源が、完全オフィシャルの徹底監修のもと、ついに解き放たれる。
これは、もはや事件である。 そして私たちは、この事件の目撃者であると同時に、当事者でもあるのだ。
「俺もお前も罪人だ 自分の罪は自分で償え」 ― 『罪 ―SIN―』より(Lyric by JHAJHA)
Text by TAKESHI UECHI Special Thanks to SAKAMOTO GISHICHO
『LIP CREAM - Complete Discography 1984 - 2013』
・1984
AUG: Various - AA HARDCORE UNLAWFUL ASSEMBLY - AA Records
AUG.15: LONELY ROCK EP - HOLD UP Records ※2013.NOV.11 Reissue - FUUDO BRAIN・DYNAMITE Records OCT: NIGHT RIDER MORE THAN FIGHT EP - AA Records
・1985
MAR.25: Various - THE PUNX -STREET MOVEMENT Cassette Tape – TAKARAJIMA Cassette Book
MAY.12: BIG FOOT Cassette (a.k.a KILL THE IBM) Cassette Tape - DYNAMITE Records
OCT: Various - ANGLICAN SCRAPE ATTIC Flexi disc - TOP FIGHT (BIG FOOT Cassette Same sound source) ・1986
FEB.15: Various - DEVIL MUST BE DRIVEN OUT WITH DEVIL LP- HOLD UP Records ※2003.MAR.25 CD Release - SS Recordings MAR - KILL UGLY POP LP - CAPTAIN Records ※1989.FEB.5 CD Release APR.25: Various - A FAREWELL TO ARMS - SELFISH Records
MAY: LIP CREAM LIVE ! Video cassette・VHS and Betamax - ACC Rockn’ Pa series
SEP.1: Various - THRASH TIL' DEATH - SELFISH Records
・1987
FEB.1: Various - CAPTAIN'S SPECIAL COLLECTION VOL.1 Cassette Tape- CAPTAIN Records SHANGRI-LA (KILL UGLY POP Same sound source)
FEB.1: Various - CAPTAIN'S SPECIAL COLLECTION VOL.2 Cassette Tape - CAPTAIN Records BACK IN THE ANGER (KILL UGLY POP Same sound source)
FEB. 1: Various - THE INDIES LIVE SELECTION 86 to 87 - CROWN Records RADICAL MENTAL TRUTH (LIVE Recording)
MAR.1: Various - CAPTAIN BEST SELECTION 1 - CAPTAIN Records GIVE US TRUTH (KILL UGLY POP Same sound source)
MAR.5: 9 SHOCKS TERROR Mini LP - SELFISH Records
MAR.10: Various - 消毒GIG 全日本HARDCORE PUNK選抜大会 - SELFISH Records Shodoku Gig (Sterilization Gig) All-Japan Hardcore Punk Grand Meeting
JUL: Various - 病原体 VIRUS Compilation JAP -
OCT.3: Various - MY MEET'S YOUR POISON - KAGAIMOUSOU Records
NOV: Various - 日本レントゲン NIPPON RENTGEN - VHS Cassette - Straight Time Productions
・1988 APR.15: CLOSE TO THE SDGE 危機 LP - SELFISH Records
AUG.20: LIP CREAM ONLY VHS cassette – TAKARAJIMA VOS JUN: Various - HARD AND LOUD VOL.1 VHS cassette - MCR Company
JUL.21 Various - VIDEO ROCKIN'DEX '88 VHS cassette - Victor
AUG: Various - 日本レントゲン 2 NIPPON RENTOGEN 2 VHS cassette - Straight Time Productions
・1989
SEP: 罪 -SIN- - SELFISH Records
NOV: Various - DOG DAYS LIVE VHS cassette - Sooky ・1990
NOV: Various - GUDON LAST 2DAYS VHS cassette - BLOOD SUCKER Records ・1991
???: Various - D.D.D. 9.24 VHS cassette ・1995
NOV.25: KILL UGLY POP CD - 鬼 ONI Label ※2010. JAN.25: Reissue 9SHOCKING TERROR CD - 鬼 ONI Label ※2010. JAN.25: Reissue
CLOSE TO THE EDGE -危機- CD - 鬼 ONI Label ※2010. JAN.25: Reissue 罪 -SIN- CD - 鬼 ONI Label ※2010. JAN.25: Reissue LIP CREAM'S THRASH TIL' DEATH CD - 鬼 ONI Label ※2010. JAN.25: Reissue
・2009
OCT.25: DVD LIP CREAM #01 不法集会.Plus DVD LIP CREAM #02 1986 ACC Lip Cream Live!.Plus DVD LIP CREAM #03 1986 august at Hiroshima.Plus
NOV.20: DVD LIP CREAM #04 1987 Live in steam.Plus DVD LIP CREAM #05 1987 Live august at hiroshima.Plus DVD LIP CREAM #06 1988 hard and loud Lip Cream.Plus
DEC.18: DVD LIP CREAM #07 1988 Lip Cream only.Plus DVD LIP CREAM #08 1989 Dog Days Live.Plus DVD LIP CREAM #09 D.D.D. 9・24.Plus
・2013
NOV.1: LP 初期のLIP CREA-EARLY YEARS GIG-84/7/7 渋谷 屋根裏 CD 初期のLIP CREA-EARLY YEARS GIG- + LONELY ROCK
|